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東京地方裁判所 昭和45年(借チ)2090号・昭45年(借チ)2078号 決定

〔主文〕1 甲事件相手方(乙事件申立人)から甲事件申立人(乙事件相手方)らに対し、別紙目録(一)記載の土地賃借権および同目録(二)記載の建物を代金四、〇一七、二五〇円で売渡すことを命ずる。

2 甲事件相手方(乙事件申立人)は、前項の金員の支払を受けるのと引換えに、甲事件申立人(乙事件相手方)らに対し、前項の建物を明渡し、かつ、所有権移転登記手続をせよ。

3 甲事件申立人(乙事件相手方)らは、前項記載の建物の明渡および所有権移転登記手続と引換えに、甲事件相手方(乙事件申立人)に対し、金四、〇一七、二五〇円を支払え。

〔理由〕一、乙事件申立人(甲事件相手方。以下たんに「相手方」という。)から別紙目録(一)記載中の土地(以下「本件土地」という。)に関する同目録記載の土地賃借権譲渡許可の申立がなされたところ、乙事件相手方ら(甲事件申立人。以下たんに「申立人ら」という。)から本件土地賃借権および本件土地上に存する同目録(二)記載の建物(以下「本件建物」という。)の譲受の申立がなされ、右各申立てはいずれも適法と認められるので、その対価を定めて譲渡を命ずる。

(申立人らは、本件土地賃借権は当初五年の約であつたが、右期間満了時に相手方神崎栄吉との間に期間を二〇年とする約束ができた旨の主張をするが、本件で取調べた資料によれば、本件土地賃貸借は、その成立時においては、期間五年との約が存したが、右満了時に新に期間の定めをした旨の陳述は採用できず、他にこれを認める資料は存しないので、本件賃貸借は借地法により期間の定めのないものというべきである。また申立人らは、相手方のなした賃料の供託は、提供なく行われたと陳述するが、前記資料によれば、相手方は、昭和四四年六月ごろ申立人らから、賃料の値上げを請求されたが、これに応じず、従前の賃料を持参したが、受領を拒絶されて供託に至つたもので、右供託に違法の点はない。したがつて、相手方は本件土地につき同目録(一)記載の条件による適法な賃借人である。)

二、附随の処分について検討する。

鑑定委員会は、「賃貸人が買受ける本件土地賃借権および建物の対価は金四、〇一七、二五〇円が相当である。すなわち、本件土地の更地価格は、一平方米当り金一〇万円建付地価格(二%減)の合計を金六、七九一、四〇〇円とする。本件において土台その他に老朽の個所がみられること、借地権を維持するために借地権価格の一〇%程度の対価を必要と認められることを考慮し、賃貸人の譲受ける借地権の対価を右建付地価格の五五%(一般的取引価格は七〇%)である金三、七三五、二七〇円とする。建物を再調達価格の二〇%と算定し金二八一、九八〇円とする。」というにある。

当裁判所は、本件土地賃貸借の残存期間および本件建物がかなり老朽化しており将来朽廃による借地権の消滅問題となりうることならびに本件土地賃貸借の経緯等も考慮したうえ、鑑定委員会の定める申立人の買受ける対価を相当と認める。(筧康生)

目録 (一)

(賃借権の内容)

1 目的土地 東京都豊島区巣鴨五丁目三七四番三二

宅地 55.37平方米

実測 69.42平方米(21坪)

2 賃貸人 申立人ら

3 賃借人 相手方

4 目的 非堅固建物所有

5 成立 昭和二五年四月一一日

6 期間 定めなし

目録 (二)

(建物)

東京都豊島区西巣鴨四丁目三七四番地

家屋番号 甲三七四番四二

木造瓦葺平家建店舗兼居宅

38.84平方米(11.75坪)

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